~スタッフインタビュー~ 『訪問看護の素晴らしさを知らない看護師の方へ』
■ スタッフインタビュー(訪問看護編) ■
世田谷区にある【SOMPOケア 尾山台 訪問看護 下北沢サテライト】に勤務されている
О・Yさんにお話を伺いました。
精神科病院で11年勤務した後、2012年11月より現職。訪問看護歴8年。
——現在の職務内容について教えてください
当ステーションがある世田谷区を始め、周辺の大田区、目黒区、杉並区、新宿区の利用者さま宅・介護施設を訪問し、看護を担当しています。訪問件数は、少ないときで1日2~3件ですが、介護施設を含めると10件を上回ることもあります。移動は基本的に自転車で、距離があると電車やバスも利用します。利用者さまには、末期がんの方や認知症の方、ストーマ管理をしている方、バルーンを入れている方など、さまざまな疾患をお持ちの方がいらっしゃいます。
——訪問看護の道に入る時、ハードルを感じませんでしたか?
大きくは感じませんでした。前職の精神病院は地方にあり、周りに大きな病院が少なかったので、例えばストーマを着けてている方やがんの方など、今、訪問で担当しているような疾患を持つ患者さまをひと通り看ていました。そのなかで注射や点滴など、病棟で行う一般的な処置もずっと続けていました。
でも訪問看護では、利用者さま宅や施設に伺うのは1人なので、そこに不安はありました。最初の2ヶ月は管理者に同行してもらい、トレーニングを受けました。それこそご自宅のインターホンを押すか押さないか、というところからご家族への接し方、状態確認、具体的なケア方法まで、しっかりと教わりました。教育は、始めの方は先輩が対応する様子を見て覚え、慣れてきたら自分で行ってその様子を先輩に見てもらうという流れで進みました。一連の業務をできるようになると一人での訪問が始まりましたが、先輩から「困ったらすぐに電話して」と言われていたので、心強かったですね。実際、現場で何度か判断に迷うことがありましたが、その場で先輩や先生、ご家族に連絡を取り、無事対処できました。
——訪問看護でどんな時にやりがいを感じますか?
利用者さまから感謝の言葉をいただいた時ですね。「よく来てくれた」「来てくれるとうれしい」そんな風に言ってくださる方が多く、「もう帰っちゃうの」「また来てね」なんて声をかけていただくこともあります。やっぱりそういう言葉をいただくと、すごく励みになりますね。
担当の利用者さまに、かつてご自身でストーマパウチをつけるのが苦手で、よく失敗されていた方がいます。地域包括支援センターから相談があり、私たちが訪問看護に入ることになりましたが、ご自宅へ伺って装着されている様子を確認すると、手技に問題はありませんでした。そこで「上手にできているから、大丈夫ですよ」とお伝えしたところ、するとみるみる失敗が減っていき、今ではほとんどミスをされなくなりました。その方はいつも「あなたの言葉で、安心して暮らせているの。辞めないでよ」と言って、待っていてくださいます。
——これから訪問看護師としてどんなことに力を入れていきたいですか?
より多くの方が、在宅で治療できる環境を作っていきたいですね。なかには在宅治療できる環境が整っていなかったり、ご家族が反対したりして、お家で過ごせないと考える方がいます。そうした思いを汲んで、お家に帰りたい患者さんが一人でも多く帰れるように、お手伝いできたらと考えています。
——訪問看護に興味があるけど迷っている、または訪問看護の素晴らしさを知らないという看護師へ一言お願いします。
訪問看護は、やりがいがあって楽しくできる仕事です。私自身、人と関わるのが好きなので、利用者さまの人生経験を聞いたり、時には利用者さまに相談に乗っていただいたりしながら、毎日楽しく働いています。不安なことがあっても、1人で抱え込む必要はありません。先輩にも質問できるし、先生にも相談しやすい環境です。一人でも多く、訪問看護の仲間が増えると嬉しいですね。