インタビュー

小さな喜びや幸せを積み重ねて自分の自信に。「ありがとう」の言葉が背中を押してくれる

藤井さん そんぽの家S 船橋印内 ケアスタッフ(2019年入社)

プロフィール
もともと児童福祉の仕事を志していたが、前職のデイサービスで介護の魅力を知る。介護福祉士の資格を取得し、より1対1でご利用者さまと向き合える環境を求めて、2020年にSOMPOケアに転職。現在はサービス付き高齢者向け住宅で
ケアスタッフとして、ご利用者さまの生活全般をサポートしている。

だまされて介護職に!? でも今は自分に向いている仕事だと思える

──藤井さんが介護職を始めたきっかけを教えてください。

実は、最初はだまされたんです(笑)。もともとは児童福祉の仕事がしたくて、ある会社から「これから児童の部門を作るので、とりあえず介護部門からスタートしてほしい」と言われて入社したのですが、結局児童部門には異動できなくて……。でも、介護の仕事をやってみると周りから「向いているよ」と言われることが多くて。客観的にそう言われるなら続けていた方がいいかなと思って、今に至ります。

──前職のデイサービスから訪問介護に転職された理由を教えてください。

前職では始発で出勤して終電で帰るような生活が続いていて、体もつらくなってきました。ただ、このまま業界を辞めてしまうと介護の仕事が嫌なままで終わってしまうと思ったので、違うやり方で介護に携わってみようと考えたんです。そこでSOMPOケアへの入社を決めました。

──デイサービスとサービス付き高齢者向け住宅では、どんな違いを感じていますか。

デイサービスのときは、18人のご利用者さまを一気に相手にしている感覚でした。でも、今は1対1でゆっくりじっくり向き合えるところが素敵だなと感じています。

また、訪問介護には家事のお手伝いのようなお仕事があることにも驚きました。お買い物やお掃除といった、間接的なサポートも大切なんだと知りましたね。

1対1だからこそ感じられる、深い感謝の瞬間

──ご利用者さまと1対1で向き合えるからこそ印象に残っている、「ありがとう」のエピソードはありますか。

とても印象的だったのは、あるご利用者さまが好きな芸能人が出るテレビ番組を見逃してしまい、すごく落ち込んでいらっしゃったときのことです。何か月か後に、その番組の再放送があることを他の職員が見つけて、教えに来てくれたんです。

その再放送は地上波ではなかったらしく、結局は残念ながら見られませんでした。でも、そのご利用者さまは涙を流すくらい本当に感動されて。「こんなことを教えてくれるなんて」とおっしゃっていました。会話の中でその人が「見たい」と言っていたのを覚えていて教えに来てくれた、その一連の流れをとても喜ばれていたんですよね。直接的な介護への「ありがとう」ではない形の感謝に、私自身も驚きました。

──日々の中で、特に心に残る“ありがとう”をいただく瞬間はどんなときですか。

目を合わせて「ありがとう」と言ってくださるときですね。皆さん当たり前のように「ありがとう」とおっしゃってくださるんですけど、目を合わせて言われることは多くありません。体調を聞いたりお話ししたり、そんな些細なときに目を合わせて言ってくれると、すごくうれしいですね。

また、手を握って感謝してくださる方もいらっしゃいます。普段はそんなことをされない方が手を握って感謝してくれるときは、いつもとは違う感謝なのかなと感じてぐっときますね。お話をじっくり伺ったり、困りごとや悩みごとを聞いたり、「痛いところはありますか」と尋ねたり、そういったコミュニケーションをいつもより時間をかけてとった後だったので、もしかしたら話を聞いてほしかったのかもしれません。

あと、たとえば「お風呂に入りましょう」と言われるのが嫌で入らない方もいらっしゃるので、そういう方には「お風呂」という言葉を使わずに、「シャワーはどうですか?」と違う声かけで提案するようにしています。入る前は嫌がっていても出た後はすごく気持ちよさそうで、そのときの「ありがとう」を聞くと、やはりほっとしますね。

──ご利用者さまのご家族から感謝の言葉をいただくことも、少なくないそうですね。

はい。異動するまで働いていた施設で、担当していたご入居者さまのご家族から、私宛にお手紙をいただいたことがありました。「今まで関わってくれてありがとうございました」という内容で、すごく感動したんです。直接会って「ありがとう」と言われることはあっても、私宛でお手紙をくださるというのは今までなかった経験でした。

その方は身体的な援助があまり必要ない方で、お食事に来られていないときに声をかける程度しか関わっていませんでした。でも、その中で私といろいろお話をしたことがご本人にとってすごくうれしかったようで、そのことをご家族にお話しされたようです。些細な関わりでも、こんなに喜んでいただけることがあるんだなと驚きました。

──ご利用者さまだけでなく、職員同士のやりとりの中で感謝する瞬間はありますか。

最近のことですが、急にお休みをいただかなくてはならなくなったときがありました。理由があってもやはり申し訳ない気持ちになるのですが、皆さんが「気にしないで休んできて」「私たちも休むときはよろしくね」という風に言ってくださるので、本当に助かっています。

介護の現場だと、誰かの介助が長引いて次の時間に遅れそうなとき、他の人が何も言わずにそのスタッフの次の介助の代わりをしているということも少なくありません。そういった助け合いは介護の現場には欠かせないなと感じています。

──藤井さんにとって、「ありがとう」という言葉はどんな存在ですか。

「介護の仕事をやっていてよかったな」「自分のやり方は間違ってなかったんだ」と思えますし、何より「これはこの方にとって嫌なことじゃなかったんだな」と安心します。「ありがとう」には背中を押してくれる力があると感じますね。相手が喜んでくれたことで自信をもらえますし、力をもらっています。

小さな喜びや幸せを見つけることを楽しめる人におすすめしたい

──これから介護の仕事を目指す方にメッセージをお願いします。

小さな喜びや幸せを、一緒に見つけていける人にこの仕事をしてほしいなと願っています。喜びや幸せというと、つい大きなことを考えてしまいますが、そこにはなかなかたどり着かないこともあります。日常は小さなことの積み重ねなので、小さな喜びや幸せを見つけられる方が楽しく仕事をやっていけますし、それが積み重なって大きな喜びにつながっていくのではないでしょうか。

もちろん仕事の中では大変なこともあります。でも、大変なことばかりに目を向けていると楽しくなくなってしまいます。良いところに目を向けたり、嫌なことは発散したり、話し合って解決したりすることができれば、きっと長く続けていける仕事だと確信しています。その「ちょっとずつ」ができる人には、介護の仕事がぴったりじゃないかなと思いますね。