KATAOKA SHINICHIRO片岡 眞一郎

Future Care Lab in Japan 所長
2004年入社

「人間」とテクノロジーの共生で、「介護を受ける人」も「介護をする人」も笑顔に

深刻な需給ギャップを埋めるため、テクノロジーをいかに活用できるか

これからは教育+ICTの活用

2019年2月、「Future Care Lab in Japan」を立ち上げました。ここでは、介護・福祉に関する新たなテクノロジーの実証実験を行っています。
超高齢社会に突入した日本では、高齢者、特に介護を必要とする後期高齢者が増える一方で労働人口が減るなど、介護人材の需給ギャップが深刻になっています。当社でも人材の確保は喫緊の課題であり、今後もますます厳しくなっていくと思っています。私はこれまで採用や教育などの業務を担当してきましたが、この業界で働く方たちは「人の役に立ちたい」と心底思って業界に入ってきます。しかし需給ギャップが拡大する中で、身体に過度の負担がかかったり、介護に対する思いだけでは対応しきれないストレスを抱えてしまう方も出てきます。
私は、働く方たちが抱いてきた介護に対する思いを達成できる「働きやすい環境」を作ることが大事だと思っています。そのために、教育で正しい知識と技術を提供するとともに、これまで介護・福祉の世界では少し縁遠かったデジタル技術や新しいテクノロジーを活用し、働く人の負担を減らさなければならないと思うのです。

テクノロジーを用いて介護職員の処遇も上げていきたい

介護で働く方の処遇が、他の業界に比べて低いのも大きな問題です。今の処遇のままでは、結婚や出産、親の介護などのライフイベントがあった時に、仕事を続けていくことが難しいということも出てきます。
テクノロジーを用いて、今まで10人で行っていた施設介護の業務を9人、8人で行えれば、その分処遇を上げることができます。生産性を上げながら給与も上げていくことによって、安心して介護業界で働ける社会を作っていきたいと思っています。

人間が触れ合いやコミュニケーションにより時間を使えるように

現場の課題をメーカーと共有し開発、実証

Future Care Lab in Japanでの取り組みは、①介護職の業務分析、②技術・安全性の検証/試験導入、③本格導入、という流れがメインになります。まず、現場のスタッフがどの業務にどのくらいの時間をかけているのか、介護度の変化によりどのくらい時間が変わるのかを算出します。
これに基づき、どの分野を人が行い、どの分野をテクノロジーが行うべきか検討します。テクノロジーに任せられるところは思い切って任せてしまい、その分、人はご利用者さまとの触れあいやコミュニケーションに時間が取れるようにしたいと思っています。ケースによってはメーカーと課題を共有し、それに即した機器を開発すると同時に、実証実験を繰り返し、最終的に現場のニーズに沿って製品化していきます。

周辺業務から優先的にテクノロジーを導入

介護の仕事は、食事、入浴、排せつの3つが業務全体の6~7割を占めています。しかし、そのすべてをテクノロジーに置き換えるということは考えていません。
たとえば食事であれば、ご利用者さまの口元まで食事を運ぶ食事介助は、できれば人がやった方がいいと思っています。しかし食事の配膳や下膳、食事量の記録などは、もしかしたらロボットやセンサーが行っていいかもしれません。周辺業務をサポートすることで、介護スタッフがご利用者さまと向き合う時間を増やせたらいいなと思っています。

持続可能な介護を高いレベルで実現するために必要なこと

スタッフのプライドを生かすことも大切

これまで「介護をする側」の立場でお話ししてきましたが、当然「介護を受ける側」にとって有益なテクノロジーを入れていくことも大事です。介護の基本は要介護者の自立支援です。テクノロジーの導入でご利用者さまの残存能力をいかに維持・向上させることができるか、その方の生きがいややりがいを維持・向上できるかも重要になってきます。それを踏まえた上で、現場のスタッフがやりがいを持てるような要素も入れて機器を開発しなければならない。「人間」と「テクノロジー」の共生は、使う人の心も含め、その設計は本当に難しいですね。

介護の未来のために社会全体で考える

「Future Care Lab in Japan」という名前には、あえて「SOMPOケア」を入れていません。私たちは自分たちのミッションとして、「高い付加価値と生産性を備えた持続可能な介護事業モデルの構築に寄与する」ことを掲げていますが、これはSOMPOケア1社では実現できません。
行政やメーカー、アカデミア、同業他社などと協働し、さまざまな技術ややり方を検証してデータやエビデンスを集めていくことが、日本の介護の未来を創っていくことだと確信しています。

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